2010/07/08掲載
 
 
学生からのメッセージ vol.4
 
 
学び、次の夢にむかって
 
田村 桂子 さん
Keiko  Tamura
 
(教養学部・全科履修生) 
「人間と文化」コース在籍 / 2006年10月入学生
 
 
全科履修生・田村桂子さんは、放送大学で学びながらさまざまな活動に積極的に取り組んでいます。ライフワークであるボランティア活動や、栃木学習センター有志による「町づくりを考える集い」への参加もその一つです。放送大学での勉強や仲間との交流を通じて、いま改めて思うこと。田村さんにお話を伺いました。
 
 


 
Interview
 
 
四日市でのボランティア活動が「原点」

 私はもともと宇都宮の出身ですが、名古屋の大学に行きまして、そこで四日市の公害問題に直面しました。1970年代のことです。当時の大学の環境もあって公害訴訟のボランティア活動に参加したのですが、この体験が私の原点になったように思います。該当地域を一軒ずつ訪ね歩いて患者さんに聞き取り調査をしたり、喘息で学校に通えない子どもたちに勉強を教えたり、新聞記者や工員さんと一緒にチラシを配ったり……。これらの活動を通じて多くの人に出会い、見知らぬ人々と手を携えるなかで、人と人とのつながりの大切さを学びました。人間は考え方が違っても一緒にやっていける。理屈ではなく、そう思えるようになりました。
 
 関西で暮らした30年のあいだも、そして1997年に故郷・宇都宮に帰ってからも、ボランティア活動は私にとってごく自然なものでした。1999年には市内・戸祭地区で知人と一緒にコミュニティハウス「ゆずり葉の家」を5年ほど運営しました。地域の人が気軽に集まっておしゃべりし、情報交換する「縁側」のような場所をつくりたかった。スペースを提供し、ときには食事会を開いたり、ちょっとした講座を開いたり。でも自分の力不足もあり、しだいにこの先どう展開していったらいいのか迷うことも多くなりました。もっと勉強しなくては……。そう思うようになりました。
 
 
放送大学で得たもの

 放送大学を選んだ理由は「いくつになっても学びたいと思ったときに学べる」こと。また、各都道府県に学習センターがあり、全国にネットワークがあること。在学中にふたたび関西方面へ行くことになっても勉強を続けられるのが魅力です。それから、学生時代よりライフワークとしているボランティア活動を、勉学を通して異なった視点から見つめ直したいという思いがあったからです。

 実際に放送大学で学んでみて、どの授業も質が高いことに驚きました。特におもしろいのは宇宙科学や脳科学などの分野で、30年前に私たちが学んでいた頃から比べると驚くほど解明されていて、学んでいてワクワクします。友人にも「楽しいよ~」と言っているので、何人かは放送大学に入学して受講してくれているようです。

 こうして放送大学でさまざまな科目を勉強することで、これまでの人生を振り返る機会になりました。いままで自分がやってきたことを客観的に見てみると、気づかされることも多いのです。

 放送大学での勉強は日々の生活にいいリズムをもたらしてくれています。自宅から栃木学習センターが近いので、運動をかねて週3~4日、自転車で片道30分の道のりを行き、集中して勉強しています。また、他の学生とも自然に交流が生まれます。昨年12月には栃木学習センター所属の学生有志と「町づくりを考える集い」を立ち上げました。宇都宮も他の地方都市と同様に中心街の空洞化が叫ばれていますが、この問題について私たちにも何か出来ることはないか考えてみようという趣旨です。まずはこんなふうにいろいろな人が出会い、話をする「場」が大切だと思うのです。それが地域の力になっていく、と。
 
 まもなく還暦を迎えます。人生の一つの節目です。これを機に、できれば環境問題と市民運動をテーマに卒業論文にも挑戦してみたいですね。そして、こうして知識と経験を積み重ねながら、いつの日か集大成ともいえるコミュニティハウスをつくってみたい。大切なのは、そこで「何を」やるのか―――。放送大学を通じて見えてきたテーマや、学んできたことを活かして……と、アイデアがいろいろと浮かぶのです。(談)
※平成22年6月22日取材
 
 
 
 
 
田村さんのさまざまなボランティア活動は新聞でも紹介されました。
 
 
 
宇大峰キャンパス前にあるコミュニティカフェ「ソノツギ」にて。昨年、田村さんはここで毎週金曜日に「ゆずり葉カフェ」を開き、学生にあたたかい手作りのランチを提供していました。
 
 
 
昨年12月に栃木学習センター有志と立ち上げた「町づくりを考える集い」。実際に宇都宮市中心部の商店街を歩いて空洞化の状況を調査し議論するなど、活発に活動を展開しています。(写真は4月24日に実施したフィールドワークの様子。田村さん(左端)と会のメンバーで記念撮影)