キャンパスの四季 2012/04/07
 
 
 
 
宇大の桃源郷
 

 今年は寒い季節が長く続いたせいで、春の花の開花が例年より遅れています。4月に入ったというのに、栃木学習センターのある峰キャンパスの桜はまだつぼみです。梅はそろそろ終わりですが、桜の少し前に桃が開花します。峰キャンパスの桃がそろそろほころんできました。
 
 皆さんは「桃源郷」ということばをご存知かと思います。語源は中国の古典に由来します。3世紀後半から4世紀前半にかけての中国六朝時代の詩人に陶淵明という有名な詩人がいました。彼の作品に『桃花源記』という詩があり、その序文に次のような話が書かれています。晋の時代、武陵というところに漁師がいた。彼は、ある時、船をこいで谷川をさかのぼり山奥に入っていった。どこまで来たかわからないくらい奥に来たとき、突然、桃の花が一面に咲き乱れるところに到着した。彼は、桃の林の中をさらに奥に進み、ついに行きどまりになっているところに到達した。そこは山で、山腹に人が一人通り抜けるだけの穴があった。彼がその穴を抜けると、むこう側は広い平野になっており、そこには人々が豊かに幸福に暮らしていた。漁師はここで数日間を過ごす。その後、同じ道をたどって自分の家に戻る。帰ってから、彼は村の役人にこのことを報告する。役人は調査隊を出して、漁師のつけた目印をたどったが、ついにその場所を発見できなかった。こういう話です。この話から、「桃源郷」ということばは、俗世間を離れた別天地、人間の心の中にある理想郷で現実には到達できないところ、というような意味で使われるようになりました。西欧語の「ユートピア」に似ているところがありますね。

 さて、峰キャンパスにも「桃源郷」があります。皆さんにこっそりその場所を教えましょう。峰キャンパスを正門から入って奥に進むと、大学会館があり、その裏手に広い駐車場があります。その右側は農学部の農場ですが、一番奥が桃園になっています。道路をはさんで向かい側は保育所です。ここは、ハナモモのさまざまな品種、特に、独特の樹形をしたホウキモモなどが植えられています。これは、宇都宮大学農学部元教授の吉田雅夫先生が収集された品種が集められているのだそうです。
 今年、この桃園の一角(「園芸施設研修用ハウス」という看板があります)に車椅子用のポートが設けられました。これは、宇都宮大学農学部の山根健治先生のご配慮によるものと聞いております。山根先生には、前に栃木学習センターの公開講座で「栃木の花」について話していただきましたが、園芸学、特にハナモモや洋ランの研究をご専門にしている研究者です。先生はまた、園芸作物を福祉的目的に利用することに心を砕いている方でもあります。体の不自由な方もこのような形で花を楽しむことができるのはすばらしいと思います。
 あと1週間くらいで峰の桃も満開となるでしょう。皆さんも、栃木学習センターに来た時のついでに、ぜひ「宇大の桃源郷」を訪ねてみてください。
 
(鯨井佑士 /2012年4月3日記)

 
 
 

 
 
 
今日(4月7日)は朝から澄んだ青空が広がり、絶好の花見日和です。
鯨井所長のエッセイに紹介されている「宇大の桃源郷」を訪ねました。
(※写真は全て4月7日撮影)
 
 
 
宇大峰キャンパス正門から栃木学習センター、大学会館前を過ぎ、駐車場を通り抜けると、キャンパスの一番南側へ出ました。左奥に見える三角屋根の建物が宇都宮大学まなびの森保育園で、道路を挟んで右側が完成したばかりの「UUユニバーサルガーデン」「施設園芸研修用ハウス」。その奥に見えるピンク色の林が桃園。
 
 
 
 
 
 
 
設置されたばかりの真新しい看板。
 
 
 
 
桃園の一角(「園芸施設研修用ハウス」前)に整備された車椅子用のポート。中央に切られたスペースは将来的に花壇になるのでしょうか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「施設園芸研修用ハウス」前に立てられた看板。
 
 
 
 
 
 ビニールシート越しに、完成したばかりの「施設園芸研修用ハウス」を覗いてみました。今後、花が溢れる憩いの空間になるのでしょうか。楽しみです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「施設園芸研修用ハウス」の奥に広がる桃園。薄いピンクや、紅に近い濃いピンク・・・。さまざまな種類の桃の木が見られます。
 
 
 
 
 
ここ数日の晴天で一気に花が咲きはじめました。まもなく満開を迎えることでしょう。
 
 
 
 
 
大きく丸く膨らんだ桃のツボミ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
開花したばかりの桃の花。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
林の向こうから子供達の賑やかな声が聞こえてきます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
今日は保育園でイベントがあるようで、朝からたくさんの親子が集まっていました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
こちらはフランス式庭園とイギリス式庭園の間にある日本庭園。アカヤシオツツジはただいま見頃を迎えています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
満開のアカヤシオツツジ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
大学会館前のサクラも咲きはじめました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
新入生を祝福しているようです。