2010年度放送大学エッセイコンテスト
 
栃木学習センター・大石寿子さんが入賞しました!
 
 
 放送大学の全学生を対象としたエッセイコンテストにおいて、栃木学習センター大石寿子さんの作品が見事佳作に選ばれました。今回のテーマは「放送大学から広がる世界」。大石さんは『開けゴマ!』と題し、放送大学を通して未知の学問に触れ、学ぶ楽しさについて綴りました。授賞式は3月27日(日)学位記授与の後に行われ、鯨井所長から賞状と副賞が手渡されると会場から大きな拍手が起こりました。
 
◆2010年度受賞者については放送大学ホームページをご覧ください。
   
 
 2010年度で第3回目を迎えた放送大学エッセイコンテスト。応募者84名の中から大石寿子さんが見事入賞を果たしました。写真は授賞式の様子。大石さんは教養学部全科履修生として在籍し、この3月に卒業を迎えました。重ねておめでとうございます!
 
 
 
 
 
 
 
  

 
 
◆◇◆ 2010年度放送大学エッセイコンテスト入賞作品 ◆◇◆
 
「開けゴマ!」
 
栃木学習センター 大石 寿子
                        (教養学部 全科履修生)
 
 
 大勢の盗賊たちが奪った宝を隠しているのを偶然に目撃したアリババ。隠し場所の扉をふさいでいる岩が「開けゴマ!」という呪文によって開かれ、「閉じよゴマ!」の言葉で閉じていく。それを見ていたアリババはその隠れ家に忍び込み、財宝を手に入れる…。ご存知『アラビアン・ナイト』より「アリババと四十人のどろぼう」のあらすじである。

 私はとにかく夢身がちな子どもで、本さえ預けておけばおとなしい子だったそうだ。本の世界に入り込んでは自分を主人公にしたて、「開けゴマ!」で欲しいものを手に入れうっとりしたり、財宝を独り占めせず貧しい人に分けてあげたアリババのことを好きになったりしていた。

 私のイメージする「アラビア語」はまさしく、この物語の舞台であり、子どものときに夢見た世界である。本の挿絵には、中東あたりの風景やヴェールをまいた女性や独特の衣装を身にまとった男たちの姿が描かれていたように思う。そんな挿絵により想像をたくましくしていた私にとって、「アラビア語」=「開けゴマ!」なのである。外国語の選択にあたって悩んだのだが、ここは「開けゴマ!」のノリ。未知の世界に足を踏み入れる期待に胸が膨らんだ。

 いざテキストがきて学習を始めてみると、ワクワクはたちまち不安に変わっていった。くねくねとした文字の羅列と実に細かいきまりごと…。「アラビア語」をあやつる人はみんな天才なのでは?と思ったものだ。しかし、やっているうちにだんだんとわかるようになり、日本語にもある男性言葉や女性言葉と変わらないのではないかと思えるようになってきたのである。文化面(サカーファ)も知識として増え、楽しみが加わった。勉強は苦しんだが、やがて面白みがわかってきたところで単位認定試験を受ける。達成感に包まれ、試験を終えることができた。

 考えてみれば、放送大学そのものが「開けゴマ!」だと思う。目的はそれぞれ違っても、新しいことに挑戦するということは、未知の世界の扉を開くきっかけが必要だからだ。私にとって、まさしく自分を奮い立たせる呪文が「開けゴマ!」だったのだ。知らないことを理解する醍醐味と大学生であることの誇り。何十年か前の大学生活とはまた違った充実感が得られている。私はあと4単位で卒業を迎えるが、まだまだ学びたい気持ちで一杯になっている。未知の世界への呪文「開けゴマ!」の精神で学習を続けていきたい。こんな気持ちにさせてくれた「初歩のアラビア語」に感謝して…。